何がダメで何がいいのか「著作権とは」②
2019年に入り、著作権法の一部を改正する法律が1月1日に施行されました。主にデジタルネットワークについての著作権についての項目が改正されたのですがご存知でしょうか。
ネットの著作権については、どこでも誰でも簡単に画像や文章を入手できるのでどうしても軽く考えてしまいがちですが、著作権侵害は科せられる罰則がとても重く注意が必要です。
【何がダメで何がいいのか「著作権とは」】でも触れましたが、もう少し分かりやすいように具体例を交えながらお話したいと思います。
著作物に当たるもの・当たらないもの
基本的には、創作性のあるもの(創作された「美術」「文芸」「楽曲」「技術」「映像」「プログラム」等)に適用されます。
絵や書、小説や音楽などはもちろん、踊りや言葉など無形でもその人独自の個性が認められるもの全てが対象となります。
創作した著作者には「著作者人格権」と「著作権」という二つの権利が発生します。
著作物を公表する権利、表示する名前(作者の本名・ペンネームなど)の決定権、著作物の内容を勝手に変更されない権利のほか、複製・譲渡といった行為も著作者が持つ権利です。
著作物は様々な権利により守られているため「創作を目的として発表した独創性が認められるもの」を勝手に転載したり、自分が作ったかのように装うことは著作権違反に当たります。
言い方を変えると「創作を目的としていない」「独創性がない」ものに関しては著作物に当たらないため著作権の保護対象とはなりません。
具体的には「○、◇、☆」といった図形や「フォント」などがこれらに当たります。しかし、こういった「独創性の無い記号やフォントを組み合わせて制作したものに独創性が認められる場合」は著作物になり得る場合があるため注意が必要です。
著作者の許可を得ずに使える範囲
フリー素材のサイトのように作品を利用することに著作者が同意している場合は、規約に即した範囲内であれば著作者に直接許可を取ることなくこれらの作品を利用することができます。
例えば無料素材のサイトで利用規約に「商用利用は禁止です」と書かれていた場合、私的利用以外で使うと違反行為となります。広告や会社のウェブサイトなど商用利用する場合は「商用利用できます」と明言している作品を使うようにしてください。
また、定められた一部施設や団体は特別に無許諾で利用できる場合があります。
例えば政令で認められた一部の図書館は、資料として保存が必要であったり、利用者に提供するためなど定められた条件に当てはまる場合は複製することが認められています。
学校も同じように教育の目的上必要であれば制限付で複製や利用が認められていましたが、今回の一部改正により「授業を受ける者に向けた公衆通信の利用」が保証金の支払いを条件に無許諾で利用できるようになりました。(利用範囲についてはこちら(文化庁HP))これにより毎回行わなくてはならなかった権利処理の煩わしさが軽減されました。
このほかにも、自分で用意した文章などの内容を補足する場合に資料として公表された著作物を引用することは無許諾で利用することができます。ただし引用元を記載しなかったり、引用の目的に適していない使い方をすると違反となる場合もあるので注意が必要です。
このように著作権では、著作者の許可を得る必要が無い利用範囲がきちんと定められています。
基本的には著作者が「使ってもいいよ」と許可を出しているもの以外は使えないと思っておいたほうが良いでしょう。
まとめ
著作権については、ニュースなどでも大きく取り上げられることがあります。
つい最近も、商標登録されていないのを良いことに勝手にロゴデザインを商標登録し、著作元の権利を侵害した事件がありました。
全国的に大きく取り扱われるということは、それだけ問題が深刻であるということです。
「ちょっとぐらい良いだろう」「誰も見ていないから良いだろう」という安易な考えが大きな事件に発展してしまうこともあります。
インターネットは全世界に発信されているものという自覚を持ち、責任を持って発信していくようにしましょう。
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